Project ek-G プロローグ

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工事現場で煙草をくわえ談笑する中年の男と、若い男。 「誰すか?アイドル?」 中年の男が観ているスマホの画面には、 『なつかしのヒットメドレー』と銘打たれた番組が流れていた。 「むか~し人気だったアイドルさ。人気絶頂ですぐ解散して、テレビで騒がれまくってたよ。40年くらい前だったかな?」 「オレ生まれてないっすよ~」 2人はどっと笑いだす。 中年の男が、横にいるもう一人の老年男性に声をかけた。 「そういや風間(かざま)さん、この一番左のやつに似てないかい?」 画面で踊る「風」のマークの男を指さした。 「え、まさかの本人?」 若い男がスマホの粗い画面を、目を凝らして覗き込む。 「う~~~ん、似てなくもないけど…」 泣きボクロに整ったクールな顔立ちがアップで映る。 「あんたがアイドルなんて柄じゃないか!アハハハハ!」 中年の男が言い放った冗談を、老年の男は感情のない乾いたトーンで笑い返した。 2f27e478-d16a-43e7-9f85-5ac3f4681cbd
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