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誠司さんの自宅へ向かうタクシーの中で、僕の手はずっと彼の手に包まれていた。
綺麗な指が僕の指を絡め取り、汗ばんでいく。
まだ建てられて間もないマンションに到着すると2人でタクシーを降り、その間もずっと手は握られたまま。
恥ずかしさと周りを気にする自分が少し情けなくもあって、それでいて恋人のような錯覚も起こしてしまう。
部屋は3階で室内もシンプルで綺麗に片付けられていた。
自分の部屋と比べちゃ悪い気もするけど、これだけ綺麗だとモデルルームみたいだなって。
余計な物が一切無くて、大きな観葉植物が寂しさを少しだけ緩和してくれている、そんな部屋だった。
「陸……覚悟は出来てる?」
後ろから抱きしめられて真っ赤になって頷く。
覚悟なんてしなくたって誠司さんと触れ合えるならどんな事だって出来る。
唇が耳朶を食み、頷くのを確認した彼はそのままクスッと笑いますます赤くなった。
「ずっと想像してたんだ。陸はどんな顔で俺を求めるんだろうって」
「あっ……ん」
首筋に這う舌が艶めかしい言葉を囁きながら落ちてく。くすぐったいような気持ちいいような危うい快感が首筋を濡らしていく。
「今日は思いっきり出来るから凄く嬉しいよ」
伸びてきた手が股間を弄り、ソコから伝わる痺れに思考が鈍くなった。
ベルトを外されるのをボーッとしながら見てて、そのままファスナーが下ろされてそこから綺麗な手が潜り込んでいく。
恥ずかしさから顔を背ければ誠司さんの唇が僕の頬に口付けし、誘われるようにキスを交わす。舌が絡み合い、厭らしい音が直接鼓膜を刺激してきた。
「ん…んんっ」
自分じゃないみたいな甘い声が唇の隙間から漏れてくる。その間も誠司さんは僕の服を脱がして自分の服も脱いでいった。
柔らかな音を立てながら床に散らばる服と下着をそのままに、リビングの隣にあるベッドへと連れて行かれて仰向けになった。
下から見る誠司さんはとても男らしく、それでいて美しかった。現実じゃないみたい、誠司さんの瞳の奥は僕に対して欲望を少しも隠していない。
「いい?」
「……はい」
ギラッとする目にゾクゾクする。
この人に抱かれるなら、もう、何も。
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