咲いて、

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こんな奴は気にしなくていい、何にも気にしなくていい。コイツが何と言おうと誠司さんはそんな人じゃない。本当にそんな人じゃないんだ。 「飲みに行けば会えるのに、なぜ行かない?」 「いー?」 いつもと違って落ち着いてのんびりした声だった。芹澤さんと花ちゃん2人でそんな事を聞いてくるから、こんな道すがらに凄く痛い所を突いてくるから。 「一緒に居られる時に……」 「一緒に居られる時に?」 ─── ……連絡するから、お店においで。 「……芹澤さんには…………関係ないでしょ」 「まー、関係ないな」 この男といると僕は、自分が嫌いになる。     凄く、嫌いになる。  
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