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その日の夜、私はゲイリー父に真相を聞きに行った。
「マリアンヌは、陛下の妻で…王妃様でゲイリー様のお母様ですか?」
「いや、妹だ。妻は誰かに殺されたが、それも誰だかわかっていない。君は何故色々な秘密を知っているんだ?」
「マリアンヌ母親説はゲイリー様からのものです。違うとしても、本当の話をした方がいいんじゃないでしょうか…」
「…話して、君の家族はどんな目にあった?」
マリアンヌを口にしただけで惨殺された。
「私は本当に詳しい事は何も知らないんです。ただ、マリアンヌを知ってると命を狙われるようなので、動きやすい服を着せてもらえると嬉しいのですが…。出来ればズボンを…。」
「婚約者がそれは…さすがに。」
「では、スカートのしたにズボンをはかせてください。ワンピースではなくツーピースで。」
「解った。」
やった!!これで何かあっても戦って逃げられる!!
「クラブ」
「はい。」
私の事、ダイアナって呼ばなくていいのかな。
「もし私が死んだら、殺されたと思ってくれ。」
「…何の冗談ですか?」
「クラブが来て、マリアンヌについてもう1度調べてみようと思った。家族の死から逃げるのは止めようと思えた。」
え、私が来たから?
そんなよくわからない事でゲイリー父が殺されたら、私も殺人犯と同格じゃない!!
「…こ…殺されないように調べるのがプロですよ。」
「どうやって?」
そんなん知らんわ。……って言いたい。
「今度、ゲイリー様と一緒に王妃様のお墓に行く事にしましたので、何か手がかりがないか調べて参ります。」
「妻も妹も父も、殺された詳細がわからない。今日までこの話を誰にも出来なかった。クラブ、君なら力になってくれそうでよかった。」
「私のような者が、そのような大それた事を…」
出来るわけありませんし、死にたくないのでやりません。ゲイリー母のお墓には行くって約束してしまったから行くけどね。
死亡フラグ回収をするっていうのは決めたわ。けど私は私が殺されない為のフラグだけを回収するの。殺されない状態まで解決したら、後は撤収するわ。
この親子の不幸にまで私が深く首を突っ込んで、何の得になるの…。
『妻を殺したのは誰か』とか、マリアンヌに繋がりがあるのかどうかもわからない人の事まで調べる筋合いはないよね。
…そのうちメイスンと逃げよう…。
「そうそう、メイスンの店はもう1店舗増やす事になったよ。」
「ええっ!?」
「好評でね。」
「それはよかったです…。」
笑顔で返事をしたけれど、こころは泣いてるわ。
右肩上がりのメイスンの人生、私は壊しては駄目だよね…。
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