2回死んだらしい

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2回死んだらしい

「元気な双子の女の子でございます。」 その言葉を聞いて5年。私は逞しくいきている。 これは、転生というやつだ。 私は0才でそれを悟った。 私には既に記憶が2つある。 日本で15年間楽しく生きていたのに、突然の押し込み強盗。一家惨殺。 そして次に目を覚ますと、断頭台の上。一瞬だから痛みは無いのかと思ったけど、死ぬほど痛かった…気がする。 それを経て、2度目の転生である。 今度はミラー伯爵の息子、クラブ・ミラーとして。 私は『元気な双子の女の子』だったはずが、ここは『双子の女の子の出産は何故か許されない国』だったので、男と女の双子設定にされた。私は男の子のほうね。 2回殺されて、行きついたところが男の子として生きる事…。 なんでやねん。 …と、ジャパニーズ関西弁も出てきてしまうというもの。 生前の性格だけをそのまま引き継いで0才から始まってるので、もともとクラブという存在は私の中にいないしね。 「クラブ、ダイアナ、ゲイリー王子が来たわよ。挨拶に行きなさい。」 「はい、お母様。」 「クラブ、挨拶をしたらすぐに部屋にお戻りなさい。」 「はい。」 はぁ、この家での私の存在は薄い。女の子だってバレないよに病弱で部屋からあまり出ない設定…。 ううん、出してもらえない…が正解ね。
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