2回死んだらしい

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「ダイアナ!!」 「ゲイリー様!お元気ですか?」 「ああ、ダイアナは?」 「とっても!!」 「ゲイリー王子、お元気そうで何よりです」  私も挨拶するけれど、王子の対応は冷たい。 「お前は来なくていい。下がれ」 「畏まりました。では、失礼致します」  この雑な扱い……。  まぁ、5才児相手に遊ばなくてもいいから、それは楽なんだけどね。 「やぁ、君がクラブ君かい?」  後ろから声をかけてきたのは、なんと国王陛下らしい。 「はい、お初にお目にかかりま――っ」  あれ……?この顔、見覚えがある。 「ん?どうしたんだい?」 「いえ、少し日を浴びすぎてしまったのか、貧血ぎみで、挨拶の途中に申し訳ありません。ダイアナの双子の兄のクラブ・ミラーです」  思い出してしまった。最後にマリアンヌとして見た記憶。  この男が私を死刑にした男だ……。  目の前で私が死ぬのを見ていた本人だ。 「辛いようなら無理せずに休みなさい」 「ありがとうございます」  思い出さなくていい事を思い出してしまった。殺されただけでもキツいのに、それを見てた男が国王だとは……。  とぼとぼと歩いて部屋に帰る。  普通なら誰かついてくるよね。酷い扱いだわ。私は姿は5才で脳内15才だから、別になんとも思わないけどね。 「ダイアナとゲイリーの結婚、今から楽しみだ」 「はい。私も光栄でございます」 国王陛下とお父様の会話が聞こえる。  ――ゲイリーとダイアナが婚約!?  私(マリアンヌ)を殺した男の息子なのよ!?ダイアナだって殺される可能性があるじゃない!……って、どうにか出来るものでもないし、息子の妻を殺すような事はしないわよね。
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