108人が本棚に入れています
本棚に追加
「ダイアナ!!」
「ゲイリー様!お元気ですか?」
「ああ、ダイアナは?」
「とっても!!」
「ゲイリー王子、お元気そうで何よりです」
私も挨拶するけれど、王子の対応は冷たい。
「お前は来なくていい。下がれ」
「畏まりました。では、失礼致します」
この雑な扱い……。
まぁ、5才児相手に遊ばなくてもいいから、それは楽なんだけどね。
「やぁ、君がクラブ君かい?」
後ろから声をかけてきたのは、なんと国王陛下らしい。
「はい、お初にお目にかかりま――っ」
あれ……?この顔、見覚えがある。
「ん?どうしたんだい?」
「いえ、少し日を浴びすぎてしまったのか、貧血ぎみで、挨拶の途中に申し訳ありません。ダイアナの双子の兄のクラブ・ミラーです」
思い出してしまった。最後にマリアンヌとして見た記憶。
この男が私を死刑にした男だ……。
目の前で私が死ぬのを見ていた本人だ。
「辛いようなら無理せずに休みなさい」
「ありがとうございます」
思い出さなくていい事を思い出してしまった。殺されただけでもキツいのに、それを見てた男が国王だとは……。
とぼとぼと歩いて部屋に帰る。
普通なら誰かついてくるよね。酷い扱いだわ。私は姿は5才で脳内15才だから、別になんとも思わないけどね。
「ダイアナとゲイリーの結婚、今から楽しみだ」
「はい。私も光栄でございます」
国王陛下とお父様の会話が聞こえる。
――ゲイリーとダイアナが婚約!?
私(マリアンヌ)を殺した男の息子なのよ!?ダイアナだって殺される可能性があるじゃない!……って、どうにか出来るものでもないし、息子の妻を殺すような事はしないわよね。
最初のコメントを投稿しよう!