108人が本棚に入れています
本棚に追加
心機一転
「メイ!! 5番テーブルを片付けて、ワインとパスタを12番テーブルだ!」
「はいっ!」
メイスンと私は、小さな飲食店を営んでいる。伯爵邸の料理長だったメイスンの腕を使わないのは勿体ないもの。
とても小さな町だし、小さなお店を出してても見つからない。生き残ったクラブが本当は女だった…なんて誰も知らないんだから、女の姿をしていれば言い分けはいくらでも出来る。
もしダイアナが殺されていたとしたなら、燃えていても骨は小さい女の子だってわかる。燃えていなければ確実にわかる。
死んでいないという可能性だってある。
同じ大きさの骨が2体出てこなければ、クラブがいないのもわかるかもしれない。
けど、生き残ってる使用人がいるのかどうかはわからないだろうし、それがメイスンだなんて誰にもわからない。だから、お店を出す事にしたのよ。
これが瞬く間に大繁盛!
私の3度目の人生、ここからやり直しよ!
私はメイ・ペレス
メイスンはジェームズ・ペレス
そう、名前を変えて、心機一転、新生活!!
「メイちゃんはよく働くねぇ。ハイ、これ。この前街に売ってたチョコだ」
「わぁ!ありがとう!!」
「メーイ、買い物行ってきてくれ!」
「はぁーい!おじさん、チョコありがとう!ゆっくりしていってね」
私は急いでメイスンのもとへ向かった。
頼まれたのは胡椒とニンニクとお魚。3つもお店を回らないと。
「お前何とかしろよ」
「ならお前が…あっ!メイ!!」
近所に住む男友達2人に呼び止められた。
「どうしたの?」
「メイちゃん!イチイが男にぶつかって、買ったもん取り上げられちまったんだよ」
「…なんですって」
そんなの許せないわ!
私はその場所まで走った。
最初のコメントを投稿しよう!