心機一転

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心機一転

「メイ!! 5番テーブルを片付けて、ワインとパスタを12番テーブルだ!」 「はいっ!」  メイスンと私は、小さな飲食店を営んでいる。伯爵邸の料理長だったメイスンの腕を使わないのは勿体ないもの。  とても小さな町だし、小さなお店を出してても見つからない。生き残ったクラブが本当は女だった…なんて誰も知らないんだから、女の姿をしていれば言い分けはいくらでも出来る。  もしダイアナが殺されていたとしたなら、燃えていても骨は小さい女の子だってわかる。燃えていなければ確実にわかる。  死んでいないという可能性だってある。  同じ大きさの骨が2体出てこなければ、クラブがいないのもわかるかもしれない。  けど、生き残ってる使用人がいるのかどうかはわからないだろうし、それがメイスンだなんて誰にもわからない。だから、お店を出す事にしたのよ。  これが瞬く間に大繁盛!  私の3度目の人生、ここからやり直しよ!  私はメイ・ペレス  メイスンはジェームズ・ペレス  そう、名前を変えて、心機一転、新生活!! 「メイちゃんはよく働くねぇ。ハイ、これ。この前街に売ってたチョコだ」 「わぁ!ありがとう!!」 「メーイ、買い物行ってきてくれ!」 「はぁーい!おじさん、チョコありがとう!ゆっくりしていってね」  私は急いでメイスンのもとへ向かった。  頼まれたのは胡椒とニンニクとお魚。3つもお店を回らないと。 「お前何とかしろよ」 「ならお前が…あっ!メイ!!」  近所に住む男友達2人に呼び止められた。 「どうしたの?」 「メイちゃん!イチイが男にぶつかって、買ったもん取り上げられちまったんだよ」 「…なんですって」  そんなの許せないわ!  私はその場所まで走った。
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