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第三章
今朝の公園に着いた。しかし、何処かから視線を感じる。あの警察官か?とも思ったがあの時ちゃんと他の警察官のところに戻って行ったのが見えた。別に気にするだけ無駄か、と思いながらドーム型の遊具の中に入っていった。
朝になり、辺りは太陽に照らされて明るくなっていた。少し遠くからは子供らしき声が聞こえる。少し安心した。最近聞いた声は大人の他人か彼の声しか聞いていなかったから。しばらくは彼にも会えないのだろう。僕は僕でいられるのか、僕でさえも分からなかった。
夏は朝でも暑く、パーカーは少し邪魔だった。彼はちゃんとパーカーを着ているだろうか。あの大人たちに悪いことされていなければいいが。
公園の時計はもう十二時を指していた。もうあの警察官もいないだろうと昨日の晩と同じ物陰から家を覗いた。もう誰もいなかった。ただ近所の住民らしき他人が家の前を行き来していた。もう平気だろうと陰から顔を出し、当たり前のように家に向かった。すると丁度すれ違った他人に顔を凝視され、少し不快に思った。
家に入り、少し安心した感じがした。だが、リビングには勿論、二階の部屋や押し入れの荷物がほとんどなくなっていた。昨日買ったばかりの包帯の入ったビニール袋もなくなっていた。僕は少し疑問に思ったが、すぐに納得した。
きっとあの大人たちが盗んだんだ、と
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