最終章

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「初めまして、白木琉と言います。」 新しい学校は不良だらけいじめの多い中学校だった。先生もまともに対応してくれない。そんな中学校に転入してきた彼は、とても綺麗で美しかった。 「白木の席は芦木の隣、早く座れ」 はい、と先生の目を見て言った彼はゆっくりとこちらへ向かってきた。 「よろしくね、芦木くん」 彼はちゃんと人の目を見て話す他人らしい。俺もちゃんと彼の目を見なければ。 「よろしく、白木くん」 彼の目を見て気が付いた。彼の瞳にも、先生の瞳にも、黒い影が見えた。その瞳には見覚えがある。いつ見たのかは何も覚えていない。まるで前世の記憶のように脳に浮かんでくる。 「芦木くんも気付いた?僕だよ、竜也」 竜也、そうだ、彼の瞳は黒木竜也の瞳で、きっと僕は芳川宙良だ。あの小説の主人公の親友となる重要人物。彼はそのことを知っていた。彼はノートにこう書いた。 "この世界は生きていない、死んでいる" 「ねぇ、また後で話そう?」 そう、だからこの世界は、              ちゃんと"生きている"
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