第二章

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家に着いたが、家にはパトカーが止まっていて警察官が沢山いた。何か話し声が聞こえた。 「ここの家、きっと虐待があるよな」 虐待、彼が受けていたこと。それがこの家にもあったらしい。あの大人たちは虐待を受けていたらしい。職場で何かあったのだろうか。あんな奴らは別に死んでもいいような大人だったけど。もしかしたら、彼は今の僕と同じ気持ちであの大人たちを殺したのかもしれない。 すると急に後ろから肩を叩かれた。少しびっくりした僕はすぐにしゃがんで後ろに振り向いた。そこには警察官の格好をした大人だった。 「何をしているんだ」 もしかしてこの家の子か?なんて聞かれても、僕には何も分からない。今まで彼がいたから何となく僕が分かったけど、今じゃもう彼がいないから何も分からない。知らない、そう言って今朝の公園に向かった。あの警察官らしき大人の人はぼんやりした瞳でずっと僕の方を見ていた。
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