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その日、家に帰ってからは特に課題もなかったのでゴロゴロしながらスマホを見てたとき。
「茉央!悠吾来てるよー」
下の階からお母さんが私を呼ぶ。
「え?悠吾が…?」
私が階段を降りる途中で悠吾と遭遇した。
「おばさんが部屋行っていいよって」
「うん。どうぞ」
とは言ったものの、悠吾が部屋に来て5分。無言が続く。今までこんなこと、なかったんだけど。
「あのさ」
無言を打ち破ったのは悠吾の方だった。
「茉央、彼氏出来たんだって?」
「う、うん…」
「かっこいい?」
「うん…かっこいい、と思う」
「そっか…いいな…」
悠吾が寂しそうな顔をする理由が私には分からなかった。だけど、私を祝福していないことは痛いほどわかった。
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