1 平穏な日々

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「その事、おばさんたち知ってるの?」 「ううん。だからさ、言わないでね?」 どう例えればいいんだろう、なんだか朱音の笑顔が、発言が、全部が怖くて仕方がなかった。 「あ、もう家だね。…まぁ、あたしの好きな人横取りしないでね?」 そう言って朱音は自分の家へと姿を消した。 私はただ立ちつくすしか出来なかった。 「朱音……まさか?」 一瞬私の頭には、悠吾と奏明の姿が浮かんだ。 だけど……違うよね? 「茉央?」 今になって私のことを茉央と呼ぶ人はそう多くない。今は、彼の声が私の体の中に心地よく響く。 「悠吾…」
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