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私には幼なじみがいる。
隣の家に住む澤田朱音と、向かいの家に住む野崎悠吾。
朱音は私のことを「まぁ」と呼ぶ。初めて付けられたあだ名で、私は朱音に「まぁ」って笑顔で呼ばれるのが大好きだった。
悠吾は、私の今の旦那さん。昔から、いざと言う時に頼りになる人で、頭も良くてイケメンでモテモテだった。私は幼なじみの特権で、みんなが憧れる悠吾のすぐ近くにいられた。
遊ぶのも、出かけるのも、どこへ行くにも3人だった。喧嘩した記憶もない。
特に、私と朱音は仲が良く、幼なじみで親友だと思っていた。
でも、その関係が崩れるにはそんなに時間はかからなかった。
思春期な私たちを待ち構えていたのは高校受験。ずっと前から、3人で一緒に家から近い豊蘭高校を受験しようって言っていた。
だけど、受験の1ヶ月前に悠吾から伝えられたのは「俺、高専受けようと思うんだ」ということ。私たちより頭の良かった悠吾は、地元から少しだけ離れた高専を受験することを視野に入れていたらしく、先生にも勧められ、受験を決めたらしい。
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