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7.ガーディアン
2021年、SNSの普及により『親ガチャ』『毒親』なる言葉が流行。
子供の親に対する不満が表面化する。
2023年、こども庁設立。
妊娠から出産、大人になるまで切れ目無く支援するを目指し少子化対策として立ち上げられた。
児童虐待相談数は2020年時点で20万を超え、実際に摘発されたのはうち2千件。
78人のこどもが死亡している。
さらにこどもを人知れず出産し、遺棄したという事件も多発したことから国はこどもを守るため究極の選択をした。
子は宝である。
すべての命が平等で何事にも代えられない国の未来である。
よって、すべてのこどもは施設にて成人するまで安全に平等に育てられるべきである。
こども庁管轄義務教育兼保育施設。
『ネバーランド』
生まれて間もなく預けられるその施設は理不尽な親もなく、環境の格差もなく、誰もが平等で安全に育てられる夢の国。
ただただ国の未来を担う宝の成長を大切にする優しさ溢れる国家機関である。
勿論世間の親世代からの反発は凄かったらしい。毎日のようにデモが起こり国会議事堂前にはこれまで見たことの無い程人が集まり座り込んだ。時折流行に便乗して暴動が起きたがそれは数えられる程度で、ストライキなるものもありはしたがこの時流行病による大不況。いつまでも座ったりしてはいられず庶民は仕事へと戻っていった。
政府としては痛くも痒くもなく、むしろ子ども手当の使い込みなどなくなり子供の安全が保証されたうえ家計の負担も減ると公言した。
斯くして、各都道府県に大きな塀に囲まれた小さな国が設置された。
こども達を守る兵士は『ガーディアン』。
外の病院で生まれた子供を無事にネバーランドへ護送することから子供を盗られたと目の敵にする親たちからは『笛吹男の鼠兵』とも呼ばれている。
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