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ひとり満足気な笑みを浮かべた俺に、和泉さんが言った。
「ヒロさんって、やっぱりカッコいいですよねぇー」
「……ハイ?」
すみません、聞きマチガイかもしれないからあと五回くらい言ってもらっていいですか。
「ホテルの朝ごはんで声かける前の頃とかぁ、思い出しちゃう」
そうそう、と他の二人も頷く。
「……なんの話?」
「……今だから、言えますけど」
ミレイさんがくすくす笑いながら話し始めた。
「コグレさんって、物凄くきれいだけど、きれいすぎて人間離れして見えて、緊張しちゃうっていうか。……でも、あのもう一人の人もカッコいいよねって皆で話して、テーブルに行ったんです。最初の日に」
「……へえ」
ナニソレ、うれしい。
……うむ。そういえばあれだな。
麗しのあーちゃんといたからすっかり忘れていたが。なんなら自分はペットのコブタみたいな気になってたが。俺だってほら、以前からセフレに困らない程度のビジュアルではあったはずなのだ。
「でもまさか、その二人がくっついてたなんてね」
「そうそう、入る余地なかったんですよぉ。ショックだった……」
そんな風に男性として見られていたなんて話を聞けば、そして高評価とまで聞けば、さすがの俺様も少しは思う。
……実際のところは俺、今となっては絶賛フリーでゴザイマス。
ヨシ、とりあえずこの、実際のところ、あたりから口に出してみようではないか。
「……実さぃ」
「で!も!……お似合いですよ! あのウィーンのチョコ、箱もきれいだけど、実は中身もハート型で超カワイーんです。お二人で仲良く食べてもらうの、考えただけで嬉しい」
……うん。……うん。高峰さん、いつも本当に、ありがとう!
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