ある別れ

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 俺との仲が唐突に終わった里葉さんだが、その後も仕事はそつなくこなし続けた。さすがだ。  でも、俺にはわかる。  俺の目を見ず眉間を見ている。その目の下は隈っぽい。時折だけど、いらついてリズムが乱れる。ふとした拍子に額に手をあて、下を向く。  その度に顔をグっと上げ、頬に手を当てて気を引き締めている様子は、自らを励ます、いや律する感じかして、カッコよくて素敵だと思う。まあ俺自身が原因ってことは棚に上げた言い方で、我ながらどうかと思うけど。  けれど、いくら素敵な上司だからってガチで付き合う気にはならない。  上司と彼女は別物だ。独占する気も、される気も、さらさらない。    しかし半月ほどたつと、里葉さんは急に明るくなった。スッキリとした顔で元気に働いている。彼氏が出来たか、新しいセフレが出来たのか。良かったな、俺は心からそう思った。
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