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「今夜は彼、私が会ったリュボイってクラブに来るはず。でもクラブってやっぱり女一人じゃナンパ待ちみたいだし、実際うるさいし。いろいろあって、紘都について来てほしいの」
「なんで今夜? いつどこにいるか、わからないんでしょ?」
「私ほら、仕事でも、目標決めたら全力でってタイプでしょ。同じよ。彼に会うのを目標にして、とにかくクラブに通ったの。そしたらこの前、バーの人がグラスを倒して私の服が濡れちゃって。凄く謝ってくれたから、ま、クリーニング代とかいいからさ、彼のこと何か、何でもいいから教えてよって」
「脅したわけですか」
「馴染にはなってるもん。これも営業の仕事と同じ、仲イイ方がいいことあるからね。バーの人は愁さんって言うんだけど、完璧主義者が拗れてクールに見えちゃうタイプでさ。言い訳できない失敗をすると、無駄に激しく動揺しちゃう、そこが狙い目。そしたら、毎月10日の夜遅くには確率高いですよってコッソリ教えてくれた」
「さすがですね。でもじゃあ、今日だって、ひとりで行けばいいでしょう」
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