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「あのー。……もし、この話がうまくいったら、男女でいたうちの女が別の男と消えて、男の俺だけボッチで残るってことですかね。エグいんだけど」
「そうよ、悪いわねえ~。夕飯に続いて、もちろんここも奢るから」
げー。カッコ悪い役回りだなあ。
そして彼は遅い時間に来るだろうと言われているのに、万全を期して8時過ぎには指定席らしき場所に陣取り、踊りにも行かず飲んでいる。
何やってんだ、俺。
「ねえ紘都、もしも今日彼に会えなかったらさ、折角だからホテル行こうか」
「はあ?」
「大丈夫、もうあんなこと言わないから、絶対。久しぶりに楽しもうよ。今日は下着も気合入ってるの」
絶対。未来のことなんかそれこそ絶対わかんないのに、言い切られてしまった。そんで他の男のためにつけた下着を、俺に脱がせという。どうも近頃、生きてるだけで凹られている気がする。
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