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最後に伝えたかった言葉。
「あなたが好き。」
それが今では嘘になってしまったみたいだ。
無気力な僕はまだベットで横になっている。
目を閉じれば君はまだ僕の隣にいる。
透明感のある柔らかくて白い肌。君の笑顔は色褪せない。
一人で暮らすには丁度いいアパートは今では少し広く感じる。窓から差した優しい光が寂しく丸まった背中を照らす。
包み込まれるような暖かさに誰かに抱きしめられたように感じ、涙を落としてしまった。
「…ありがとう。」
最後に伝えたかった言葉だ。こんな不甲斐ない僕でも好きになってくれた。そんな彼女を自分は幸せにしてやれたならそれで満足だ。
そう言い聞かせてその男は本音を押し殺した。
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