忠告2―― お越しの際は覚悟を

13/29
前へ
/138ページ
次へ
矢継ぎ早に放たれた拒否のセリフたちによって、私の言葉は一気に口の中に押し戻される。 言い方は、少し気づかっていて、静かだけれど、 これまでの叱責やお小言なんかよりも、ううん……そんなのなんか比じゃないくらい、大きな猛威を奮って心に深く突き刺さってきた。 『無理にとは、いわんよ……』 会長がそう言ってくれたのは、私の意志を尊重してくれたからだ。 だからこれは私には迷惑でも気遣いでもない。 さっき会長の名前を出しちゃったのは、少しでもこのお見合いに来てもらいたかったからで――。 「ということで、この話は“無い”方向で――」 あ……行っちゃう。 「――ま、待ってくださいっ!」  
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5663人が本棚に入れています
本棚に追加