忠告2―― お越しの際は覚悟を

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横を通り過ぎようとした、ダークスーツの腕をぐっと引き止めていた。 「……國井さん……?」 足を止めた島田さんが怪訝そうに振り返る。 「こ、これは……、会長への気遣いとかじゃなくて、私の意志です」 「――!」 キッパリ告げると、切れ長の瞳が丸くなる。 それを見て、一瞬怖気づきそうになるけれど、手のひらをぎゅっと握って、自分に活を入れた。 「ゼネラルマネージャーには申し訳ないのですが、私が引き合わせてもらいたいから、会長にお願いしたいと思っているんです。だから、迷惑でも無駄でもなくて、私の気持ちです……」 鬱陶しがられるのはわかっているけれど、誤解されたまま全てが終わってしまうのは嫌だと思った。 私の意志や気持ちまで消えてなくなってしまうのは、悲しすぎるよ。
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