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「ふーーっ・・・吹雪が止んだ。僕、このまま氷漬けになるとこだった!!」
吹雪が止んで、降り積もる1面の白い山林地帯。
「白!!白!!白!!白!!真っ白!!でも僕だけ黒いシマシマのオレンジ!!
やっほーーーーい!!」
子トラのショジは、鼻と口からぶわっ!と煙を吐いた。
「わーーーーー!!僕の口から煙だ煙だーーー!!おもしろーい!!」
子トラのショジは、煙・・・吐息が寒さで凍って水蒸気になった・・・にはしゃいで、なんども、はーーーっ!はーーーっ!と吐息を吐いた。
「よーし!!今度はもーーーっともわ~~~~~~っと出すゾーー!」
子トラのショジは、深く息を吸い込もうとした。
「うぐっ!!げほっ!!げほっ!!危うく肺が凍るとこだった!!」
もわ~~~~~~~・・・
「あれ?後ろから煙・・・」
子トラのショジが振り向くと、誰も居なかった。
「変だな?誰かいた筈・・・気のせいか。」
子トラのショジは気を取り直して、この延々と続く真っ白な世界を見回りつづけた。
ギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッ
「やっべぇ、鼻の回りが凍ってきた。ムズムズする・・・へっくしょん!!」
どさっ!!
「ん?!また後ろで物音?だあれ?
・・・あれ!?また気のせいか・・・」
子トラのショジは、何事もなく再び雪の中を歩き続けた。
ギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッギュッ。
「うわーーー!!やっぱり気になる!!誰か僕をつけてくる。」
雪原の中から狙ってるような何者かの視線が気になって、振り向き振り向き子トラのショジは警戒した。
「だあれ?ここにいるのは?」
し~~~~~~~ん・・・
「返事はない。僕の思い違いかな?」
廻りはどうみても、白一色。
何も動く気配はなく、そこに居るのは子トラのショジ1匹。
それが、更なる恐怖を植え付けた。
「誰?そこに居るのは?誰?誰だい!!
返事して返事!!」
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