4#雪原の友達

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 「ごめんね白いヒョウさん。ここが縄張りとは知らなかったんだ。  僕の名前は『ショジ』。トラのショジだよ。  彷徨い歩いてたら、この雪の山岳に来ちゃったんだ。悪気はないよ。」  「ふーん。そうなんだ。解った!!  白いヒョウ?俺はユキヒョウだよ。俺の名前は『ルロ』!!よろしくな!!」  子トラと子ユキヒョウ。2匹は暫く顔を見合わせていた。  「僕、両親を密猟者に殺されてさ。今みなしごで自分の生き方探しの旅に出てるの。」  「俺もそうだ。親は人間にこの白い毛皮を重宝がられて、殺されてさ。俺ひとりでこうやって生きて行こうと決めたのさ。  無頼派のユキヒョウだぜ。」  「お仲間だっ!!」「お仲間っ!!」  子トラのショジと子ユキヒョウのルロは、お互い抱き締めた。  「僕の故郷のジャングル・・・人間の開発者入って切り開かれてさあ・・・」  「俺のテリトリーの雪原だって、ここんとこ暖かくなって、段々狭まってきて・・・」  「やっぱりお仲間だっ!!」「うんお仲間っ!!」  子トラと子ユキヒョウは、お互いじゃれ会い、お互いの鼻をすり付けて友情を深めていった。  「はーーーーーっ!!僕の息の煙こんなに出るぞーーっ!!」  「じゃあ俺も!はーーーーーーーっ!!どんなもんだいっ!!俺の方が息の煙が大きくなったぞっ!!」  「よーし!!僕の実力をっ!!はーーーーーっ!!」  「まだまだっ!!はーーーーーーーーっ!!」  雪が降りつもった山林の中、友達になった子トラのショジと子ユキヒョウのルロは駆け回り、取っ組み合いをしたり、転げ廻ったりしてお互いはしゃいで一緒にしばし遊びまくってた。  雪雲の合間の鈍い太陽の光が、樹氷が煌めかせていた。    ~子トラのショジ物語・ショジと雪豹~  ~fin~
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