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生い立ち
昭和46年。
三姉妹の末娘としてこの世に生を受ける。
初めての子供で、恐らく可愛がられたであろう7歳上の姉、里美。
年子で生まれ、放任されがちだった6歳上の次女、美波。
そして、歳が離れていることで、姉たちからも可愛がられたであろう三女が私、羽美である。
母方の祖父が名付け親だ。
私は「羽美ーうみ」という名をとても気に入っている。
幼い頃のアルバムには、白黒写真から始まり、一年も経たずカラー写真に変わっている。
お座りが出来るようになった私の両サイドを、姉たちが嬉しそうな笑顔で写っている。
二歳くらいだろうか。
電車内で撮られた写真には、カメラ目線の私と、私を愛おしそうに見る父親の姿があった。
この頃の記憶は全くないが、恐らく私は愛情を注がれて育っていたと思われる。
当時、幼稚園という所は二年保育が主流だった。
姉たちはお寺さんの幼稚園に通ったらしいが、何故か私はバンビの絵が描かれた幼稚園バスを指差し
「この幼稚園がいい」
と泣いて訴えたそうだ。
そこはキリスト教の幼稚園で、どちらかというと勉強熱心なイメージのある幼稚園だった。
普段、物静かで我儘を言わない大人しい子供だった私が、珍しく泣いて大騒ぎしたらしく、その幼稚園に通わせて貰えることになる。
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