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娘の心
「忘れ物ない?」
「うん、大丈夫」
「はい、気をつけて行ってらっしゃい」
「じゃあ、行ってきます」
毎朝の日課。
うちの母は毎朝、こうして玄関で私を見送ってくれる。
小学生の頃から一度も欠かしたことはない。
母は父に対しても、毎朝必ず見送る。
父の方が私より先に家を出るから、父を見送る時は私も母と一緒に見送る。
我が家ではそれが当たり前になっている。
たとえ直前までどちらかの機嫌が悪くても、朝のこの時間の時は必ずリセットして、母は笑顔で見送ってくれる。
私が家庭を持ったら、母と同じことをしようといつも思っていた。
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