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ちなみに、このシルバーさん達――配送に行く際のスケジュールは、先ずこんな感じである。
夕方の17時過ぎという絶妙に遅くなりそうな時間に出発。
道中、好きな店でディナー。
※講師達もディナーの時間はあるし、何なら雇用時の契約書にも食事は認められている。
んが、実際に本当に食事を出来ることはほぼない。
何故なら、講師の場合はマジで常に監視されているから。
印刷室を出発した時間を上層部や配送先の教室が把握しており、ネット等でおおまかな到着予想時刻を出しているのである。
で、その到着予想時刻を過ぎてしまうと鬼電の嵐が吹き荒れるのだ。
が、そこは流石に上層部様のご母堂達だからか――?
シルバーさん達がどれだけ時間を過ぎようと鬼電をされることはない。
なので、優雅にお食事をしてから校舎に配送に向かうという訳だ。
本部からの移動時間が大抵1時間半位あり、食事の時間も基本的には1時間ある。
その為、シルバーさんが校舎に到着するのはいつも19時30分過ぎになる訳だが。
ここから本部に帰るとすると、22時を軽く回ってしまう可能性がある。
つまり、定時の22時を到着時間が上回ってしまう訳だ。
印刷室に帰ってきて貰っても仕事をさせることが出来ない。
何なら、上層部様のご母堂達なので残業なんてさせられない。
なので、上層部様達もシルバーさん達には直帰を許さざるをえなくなってしまう訳である。
んで、シルバーさん達が配送に出ている分、残された講師達が馬車馬のように働かざるを得ない訳なのだ。
つまり、「シルバーさん達が配送に行きまくる」→「講師達の仕事が増える」→「印刷の仕事が溢れる」→「印刷の仕事を嫌がって余計シルバーさん達が配送に行きまくる」の悪循環なのである。
昔、勇気のある若い講師(わしではない)が1度、シルバーさん達の勤務態度の悪さを上層部に抗議したことがあった。
んがっ!
なんとなんと上層部様、その講師が抗議した内容を全部シルバーさん達にバラしてしまったのである。
勿論、実名でな。
結果、どうなったか――?
印刷室でシルバーさん達による、彼への超陰湿ないじめが始まってしまったのだ。
無視に始まり、わざと物を隠したり、彼にだけ社内の回覧板を見せず恥をかかせようとする……。
他にも、彼が新品のシャツやジャケットを着て来た際等は、輪転機のインク交換の際にわざとインクをかけて汚すなんてこともあった。
やることは子供じみてはいるが、中々に陰湿である。
結局、この正義感に燃えていた講師は、いじめが始まってから1ヶ月後に会社を自主退職した。
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