この無限ループからの卒業……出来ると思ったかそいつは幻だ

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なんかもう、フェムトとか降臨しちゃっていいから――カオスなその場からめちゃめちゃ逃げ出したい筆者君。 目の前で吉右衛門さんに肩を抱かれ、交互にキスをし合う不倫カップルを見て、筆者君が思うことは、ただ1つ――「おうち帰りてぇな」だけである。 が、しかし今はまだ午前中――仕事はまだまだこれからなのだ。 けれど、目の前のシルバーさん達が仕事をする様子は一切ない。 そして、大変ツイていない事に、今日シフトが入っているシルバーさんは彼ら3人だけなのだ。 つまり――筆者君は、今日1日中この不倫トライアングラー達とお仕事をしなければいけない訳なのである。 まぁ、他にも勿論講師はいるけれど。 それにしたって、中和剤なぞ何もなしにずーっと不倫トライアングラー達と同じ場所にいなきゃいけないのは正直キッツイ。 というか、さっきからチュッチュチュッチュとエンドレスでずーっとキスしてるしね! (うっへぁ……) もう、見てるだけで胸焼けがしてくる筆者君。 つーか、吉右衛門さん、トメさんにキスした唇でそのままカネさん(もう1人のご婦人)にキスしてるけど、あれ、いいのかね? 本人達的にさ。 トメ×カネで間接キスしてるようなものぞ? 超恍惚としてるけど。 (ぅぅぅ……きったねぇ百合だなぁ……) そんな想像をしながら、ひたすらお仕事をする筆者君。 しかし、集中していれば人間どうにかなるもので。 不倫トライアングラーから目を逸らして仕事をしつつ、時間はあっという間に午後になる。 と、伊勢崎にある校舎から急遽印刷室に配送の依頼が飛び込んできた。 「授業で講師が忙しくて、ずっと印刷室に行けてないんですよ~!印刷物もたまっちゃってると思うんで、持って来て貰えないですかね~?」 マッジか。 伊勢崎校の棚を見にいってみると――確かに、溢れだしそうな位、ぱつんぱつんに印刷物が詰まっている。 なので、一旦上層部にそれを報告に向かう筆者君。 え?何で報告するのかって? 各校舎から、上層部様を通さないで印刷室に配送依頼がある時は、校舎の人間が印刷室にわざわざ来るのが面倒で印刷室の人間に配送を投げていることもあるからだ。 なので、そういう連絡があると直ぐ様上層部様に報告し、上層部様が、その校舎が本当に多忙だったかをチェックするのである。 結果、マジで多忙だった伊勢崎校。 印刷室の誰かが配送に向かうことになるが――。 「私達で配送に向かいま~ちゅ」 不倫トライアングラーが喜んで名乗りを上げてきた。
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