この無限ループからの卒業……出来ると思ったかそいつは幻だ

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その翌日。 わしや不倫トライアングラー達が印刷業務に従事(つっても稼働してるのはどう見てもわしや講師達だけじゃが)していると、ド派手な音を立てて印刷室の扉がぶち開けられた。 まさに、ドアバーン。 そこに血相を変えて飛び込んできたのは島ちゃんだ。 彼はその手に、1枚の写真のようなものを握り締めている。 そうして島ちゃんは――写真のようなものを自分の母親に突き付けると、こう叫んだ。 「何て事をしてくれたんですか、お母さん!!!」 半ば嘆くようにそう叫ぶ島ちゃん。 気になった筆者君が、仕事をしているふりをしながらそーっと前に回り込み、その写真を見てみると――。 (おげぇぇ……) その写真には、目隠しなんぞもしていない普通の車の中で不倫トライアングラー達がカーセックスに勤しむ様子が克明に撮しとられていた。 (ていうかこれ、昨日乗ってた車じゃん) と思ったら、写真に刻まれている日付もなんと昨日だ。 (ぅぇぇぇぇ……なに、こいつら。配送中か配送後に直帰してこんなことしてたん?) が、しかし――そこで1つ疑問が残る。 (彼らが配送前後にカーセックスを致したとして、何で島ちゃんがその写真を持ってるんだ?) ――そうして、その写真を撮ったのは一体誰なのだろうか。 筆者君がそんなことを考えていると、印刷室で仁王立ちをしている島ちゃんが、更に声を張り上げる。 「よりによって校舎の……父兄用の駐車場で、生徒が通塾してくる時間にこんなことをして!!貴女達は自分が恥ずかしくないんですか?!」 ちょ、マジか! えー、生徒の通塾時間に父兄用の駐車場で致しちゃったの?! うっせぇうっせぇうっせぇわ……ならぬ、やっべぇやっべぇやっべぇわ。 周りが思うより淫乱です? それはさておき、生徒が通塾してくる時間帯に父兄用の駐車場でこれはかなりマズイ。 「ここの校舎に通う生徒の保護者さんが、今日本社に抗議に来られたんです!!この写真を持って!!」 おう、マジか。 本社に乗り込まれたんか。 「人前でっ……しかも、子供たちや保護者の直ぐ目の前でこんな姿を晒してっ!!貴女達には羞恥心という概念が無いのか?」 半分泣きそうになりながらそう叫ぶ島ちゃん。 けれど、島ちゃんの母はケロッとした様子でこう答えた。 「いや、別に。っていうか見られてた方が興奮するし」 ――あと、その写真頂戴?引き伸ばして部屋に飾るから。 島ちゃんマザーのその答えに、流石に凍りつく筆者君や印刷室勤務の講師達。 (こ、こいつっ……!ダメージをまるで受けていない!む、無敵なのか?!)
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