この無限ループからの卒業……出来ると思ったかそいつは幻だ

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自分が不倫で産まれた子供な上、嫁が現在進行形で不倫をしているという――。 知りたくもなかった地獄のような真実を聞かされ、膝をついた島ちゃんは、遂にその場で男泣きを始めてしまった。 マジでこれこそなんたるサンタルチア。 かける言葉すらなく、筆者君達は泣き崩れる島ちゃんをただただ見守るしかなかった。 と、言葉を詰まらせながら、島ちゃんがぽつりぽつりと話し始める。 「……妻とは、ね?幼稚園からの、幼馴染みだったんですよ……」 うおお、やべぇ! 島ちゃんが自分で自分にカウンターを決めにきているぅぅ! が、そう語り出した島ちゃんの表情に鬼気迫るものを感じ、止められずにいる筆者君達。 「……高校の時に、バレンタインデーにチョコレートをくれて、告白してくれたんですよ……。そこから、正式にお付き合いを始めてね……。そう……あれは、嬉しかったなぁ……」 超泣きながら超笑い出す島ちゃん。 多分ね? あまりにショック過ぎて感情の機能が一時的にぶっ壊れちゃったんだと思うんだ。 怖いよぅ、ぴえん。 しかし、壊れた島ちゃんは尚も語り続ける。 自らと嫁の幸せだった日々のお話を。 「子供が、可愛い盛りなんだよ……。まだ、小さいんだ……。大切に、大切に、育てて来たんだよ……。これから……そう、全てはこれからだったのに……!子供達には何て言えばいいんだっ……!」 そう叫ぶように告げながら、床を何度も激しく拳で叩く島ちゃん。 すると、そんな島ちゃんにシマザーがしれっとこう言った。 「ああ、そのあんたの可愛い子供達だけどね?2人とも不倫相手との子供だから。托卵だった訳よ、托卵。他人の子供の養育お疲れ様~♪」 ギャオス。 「……托……卵……?」 シマザーの言葉に呆然とする島ちゃん。 次の瞬間、彼は滝の様な涙を流しながらこう叫んだ。 「嘘だ!!!嘘だぁぁぁぁぁ!!!!!」 なんて悲しい響きと叫びだろうか。 島ちゃんの悲痛過ぎる雄叫びに、思わず筆者君達は耳を覆う。 と、そんな筆者君達の目の前で、叫び終わった島ちゃんの巨体がゆっくりと揺らいだではないか。 そして、ドサリと音を立て、島ちゃんの体が床に倒れ込む。 きっと、あまりに辛すぎる現実に体と心がついていけなかったのだ。 こうして、now loadingな状態になってしまった島ちゃん。 筆者君達は、なすすべもなく――倒れ込んだ島ちゃんをただ見つめることしか出来なかった。
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