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「UFOおじさんの孫である私にオタマジャクシを呼べと」
「そういうことです」笑顔で観光協会の職員は大きく頷いた。
「まさかUFOおじさんが亡くなってるとは思わなくてですね。あ、もちろんタダでとは言いませんよ謝礼金は出しますんで。いやーコロナ禍で講演会が中止になっちゃってね予算余ってるんです」
「オタマジャクシは呼べません。帰ってください」
「そこをなんとか」
「そこをなんとか」でなんとかできるもんなのか、これ。
「隣町に拝み屋さんいますよ。拝んでもらえば」
「拝み屋さんが拝んでもオタマジャクシは降らんでしょう」
じゃあ何故UFOを呼ぶ人間がオタマジャクシも呼べると思ったのか。私はスマートフォンを手に取る。
「女性のひとり暮らしの部屋に上がり込んで帰らないって通報してもいい案件だと思います」
「いやいやいや困ります、わかりました帰りますから」
慌てた様子で部屋を出る観光協会の職員。私は溜め息をついてスマートフォンを置いた。
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