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『なんで? 経済学のところ教えてやるからさ』
『やだ』
(一方的に教えてもらうなんて嫌だ。だいたい、それじゃあ、進藤にメリットがないじゃない!)
私の心の声を読んだのか、進藤が畳みかけてくる。
『人に解説することで知識が定着して、俺も勉強になるんだよ』
『やだ』
そっけなく返事しても、進藤はしつこい。
この粘り強さが交渉力に繋がるのかな?
よっぽど不動産鑑定士の勉強会がしたいらしい。
周りにあまりやっている人がいないからかな?
『それなら、これでどうだ?』
そんな言葉の後、どど〜んと大きなズワイガニの写真が送られてきた。
(カニ!?)
思わず、息を呑んだ。目が吸い寄せられる。
『ふるさと納税で届いたんだ。カニ鍋しようぜ』
(勉強会はどこに行ったの?)
そう思うものの、ゴクリと唾を呑み込む。
『お前、カニ好きだろ?』
『好きだけど。なんで知ってるのよ』
『前に同期会で、黙々とカニを食ってただろ。食べないヤツの分も奪って』
『それはもったいなかったからよ!』
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