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「コーヒー淹れるから、その辺に座ってて」
進藤の部屋は1Kで、モノトーンに近いシンプルで片づいた部屋だった。
そして、中央には魅惑のコタツがあった。
コタツ布団はやっぱりモノトーンの北欧柄で、最近のコタツはオシャレなのねと感心する。
もそもそと入ると、幸せの温もり。
(コタツ買いたいなと思っていたけど、やっぱり買おうかな。でも、抜け出せなくなりそう)
私がぬくぬくしていると、進藤がコーヒーを持ってきてくれた。
「あ、そうだ。クッキー持ってきたんだ」
進藤とはいえ、部屋にお邪魔するのに手ぶらもなんだからと駅前で買ってきたんだ。
「ありがとう」
クッキーの箱を早速開けようとした進藤を慌てて制する。
「ダメよ!」
「え、なんで?」
キョトンとする進藤に言って聞かせる。
「今夜はカニ鍋なんでしょ? クッキー食べるなら、明日にして」
「ハハッ、どんだけカニ鍋のために準備万端にしようとしてるんだ!」
笑われたけど、うっかりクッキーを食べ過ぎてしまったら、せっかくのカニが満喫できない。
進藤は素直に箱から手を離して、横に置いた。
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