カニ雑炊

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カニ雑炊

(あれ? なんで朝? 甲羅酒呑んで、それから……?)  私は素肌に進藤のものと思われるTシャツを着ていた。ブラはつけてないものの、ちゃんとパンツは履いていたし、致した感覚もない。 (ただ酔って寝ちゃっただけか)  ほっとした直後、重要なことに気づき、ガバッと飛び起きた。 「あああ〜っ、私、雑炊食べてない〜〜〜っ!」  すっごくすっごく楽しみにしていたのに〜!  カニの旨味が存分に出た雑炊。カニ身のほぐしたのをちょっと入れたり、カニ味噌を混ぜたりして、そこにひとつまみ塩を振って、パリパリの海苔をかけて。  絶対美味しい! 至福の味のはずだったのに……。  私が打ちひしがれていると、なんだ?と進藤が起き上がった。  ぼーっと瞬きした後、急に焦点が私に合ったかと思ったら、彼が叫んだ。 「ああーっ、お前、いい加減にしろよ!」  進藤はめずらしく本気で怒ってるらしい。  赤い顔で私を睨んでいる。 (進藤がこんなに怒るなんて、いったいなにをしたんだろう?)  でも、怒りなら私も負けてない。 「なによ! 雑炊作ったら、起こしてくれてもいいじゃない!」
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