カニ雑炊

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 カニ身もカニ味噌も乗っている豪勢な雑炊だ。 「わぁ、美味しそう!」  夏希の分と言って持たされた丼を、コタツに運ぶ。  進藤もすぐ自分の分を持ってきた。 「いただきます」  熱くて食べられないのはわかっているけど、気が早って、レンゲに雑炊をすくっては落とし、すくっては落とし、早く冷まそうとする。  そして、ちょびっとすくった雑炊をはふはふして、食べてみた。 「ん〜っ、美味しい〜!」  濃厚なカニの旨味がご飯に浸透して、とんでもなく美味だ。  至高の味に目を細めていると、進藤がなぜかスマホで写真を撮っていた。 「なによ?」 「いや、あまりにうれしそうな顔をしてるから、つい」 「だって、幸せだもん」 「……カニを取り寄せた俺、グッジョブ!」 「うん、グッジョブ!」  めずらしく意見が一致して、微笑み合った。 「そうだ、お代払うから」 「そんなのいいよ。ふるさと納税だし」 「でも、野菜とかいろいろ用意してくれたでしょ?」 「別に……。あ、ならさぁ、今度、夏希がご馳走してくれよ」 「ご馳走? 大したもの作れないけど?」
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