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冷たいのと熱いのとの落差が激しくて、くらくらする。
「手足の先まで温めてやる」
そう宣言すると、進藤は首筋に唇を寄せた。
ぺろっと舐められて、鼻にかかった息を漏らしてしまう。
「……んっ」
それと同時に、さわさわと脚を撫で下ろされて、下半身がぞくっとした。
「ん? そんな色っぽい顔して、まさか感じてるのか?」
「そんなわけないじゃない!」
「じゃあ、温め続けていいよな?」
「こ、こんなことする必要ある?」
「これが一番手っ取り早い。それに、このままだとお前、温まらないだろ」
確かに、芯から凍りついたような身体はストーブの火でも溶ける気配はないけれど、さっき進藤に含まれた指はすっかり温まっている。
おもしろくないけど、しょうがない。
私はうなずいて、「好きにすれば」とつぶやいた。
「お前な〜、ここでそのセリフを吐くか!?」
突然がっくり崩れ落ちた進藤が私の胸元に顔を埋めた。
さっきから進藤の行動の落差も激しい。
と、急に顔をあげた彼と目が合う。
「まさか、お前、処女か?」
「なっ、いきなりなに言うの? 違うに決まってるでしょ!」
したことぐらいあるわよ! 一回は!
その最低の経験を思い出して、嫌な気分になる。
──おい、マジで、お前、あの真面目ちゃんを落としたのか?
──ちょろかったぜ? ちょっと甘くささやいただけで、ほいほい家についてきて。
──で、どうするんだ?
──飽きるまで相手してやるか……って、うわっ、冗談……グェッ!
ムカつく同級生の顔をグーで殴って、金輪際、恋愛はしないって決めた。私は仕事に生きるのよ!
受験で精神不安定になっていたとはいえ、私としたことがバカなことをしたわ……。
「思い出すな!」
最悪な思い出を回想していた私の顎を掴んで、進藤は私に口づけた。
「んっ、んんっ〜」
口に吸いつかれ、熱い舌が入ってくる。
(な、なにするのよっ!)
じたばたするけど、口の中を探られて、舌を擦り合わされるとぽわっと身体が熱くなってくる。
そうか、なにかで読んだことがある。身体を温めるには身体を重ね合わせるのが一番いいって。
もしかして、進藤はそれをしようとしてるの?
それが正解だったようで、彼は私の胸まで揉み始めた。
こねくり回され、尖ったところを摘まれ、身体が熱くなってくる。
好きにすればって言っちゃったしな。
進藤も寒いのかもしれない。こんな冷えた私と毛布に包まっても温まらないし。
(しょうがない。女に二言はないわ!)
しぶしぶ私は進藤に身を任せた。
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