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幾日かして拓也は無事退院し、部屋の布団でぐっすり眠っていた。深夜二時にも関わらず、リビングの電気がついていて、両親が低い声で話している。
「やっぱり…返しましょうよ…」
「今更何を言い出すんだ。いくら出したと思ってる!」
「だって本当は…私たちの子じゃないじゃない…」
「お前だって喜んでただろう!それに、どんな子だって構わない、と…」
「そうだけどっ!でも…あの子は――加藤渉くんなのよ…?」
ピピピピピピピピーー!手元のキッチンタイマーが喚くのを、彼女はそっと止めた。
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