隣の長谷川さん

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 急いで火を消し、上着を着て外に出た太一は鍵を掛けながら純の背中を見つめた。廊下を歩きながらさり気なくコンコン……と長谷川さんのドアを叩く純。 …………え、あの人何やってんの?  ガチャ……と少しだけドアを開け、不思議そうに純を見る長谷川に一言忠告をした。 「そこの小窓、閉めといた方がいいですよ。最近この辺り物騒なので。」  そう言うと純はそのままアパートの階段を降りて行った。後ろに付いて行く太一が「すみません……」と気まずそうに詫びる。 …………もう、自分勝手すぎるよ! 「…………ちょっと、待ってくださいよ!」  相変わらずマイペースに歩き続ける純に何とか追いつくと、隣から彼の顔を覗き込んで言った。 「もう、何なんですかいきなり!僕まだ焼きそば作ってる途中だったんですよ?」 「知ってる。」 「どうしたんですか急に?行くってどこに行くんですか?」 「パトロール。」 「勤務外で?」 「走るぞ。」 「…………は?」  純が急に走り出した。訳も分からず取り敢えず彼の後を追う太一。どうやら駅の方に向かっている様だ。横断歩道で止まった純に何とか追いついた太一が息を切らして言った。 「………もう何なんですかホントに!!」 「………間に合った。」 「…………?」  ぜぇはぁ荒い息を整えながら、純が見つめる視線の先を見る。 …………あれ?ヒーラーさん?  
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