Lv.18 たかせ ぱぱ&まま

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Lv.18 たかせ ぱぱ&まま

仕事の合間、美亜は礼治に問いかける。 「さっきの香住さんのなんちゃら御祝いは、いつやるんですかぁ?」 「明日、休みだから明日にしようかなと、思ってますが・・・美亜さん、何か今日は機嫌悪いですね?」 美亜は礼治の言葉を聞き、ハッと我に変える。 「・・・可愛くないですよね?」 「え!?いや、それは・・・ちょっと怖いなって思いましたが・・・今日も、その・・・可愛いですよ」 礼治は照れくさいのを我慢して、機嫌が直れば良いなと思いながら素直に答える。 「な、なんかー!言わせちゃった感じじゃあないですかねぇー!本当に、そう思ってますかぁ?」 自分の質問にも、礼治の返答にも恥ずかしくなり美亜は顔を赤らめた。 「お、思ってますよ?」 二人がやりとりしている中、香住は帰り道で頭を抱えていた。 「マジか~あんな美少女がライバルとか、聞いてないんですけど?肉体関係があるのって、アドバンテージになるのかな?いや、ならないか・・・割り切った関係だったしなぁ~」 帰宅して、風呂に入り鏡で自分の身体をチェックする香住。 「スタイルでは、負けてないよね?」 それから、数時間後・・・スマホにライン通知がきた。 画面を見ると、礼治からだった。 『あらためて、受賞おめでとうございます。明日、休みなので良かったら御祝いしませんか?』 すぐさま、OKと返信し香住はウキウキしながら明日の事を考える。 「礼治君と飲みだー!嬉しいなぁー!居酒屋より、宅飲みのが距離縮められるかな?でも、そうなると晶が邪魔なんだよね・・・どうしたものか」 そこへ、晶が帰宅した。 「ただいまー何か、礼治から姉ちゃんの御祝いしようってラインきてたんだけど・・・明日、同僚の送別会だから違う日にするように言っとくわ」 ラインを返そうとする晶の手を掴み、香住は笑顔で言う。 「私は明日が都合良いから、中止にはしないでね?とりあえず、ウチで飲もうって返信しなさい」 「わかったけど、手が痛いから離してくれ!なんだよ、その謎の握力は?てか、そうなると俺が帰るまで二人で飲みになるぞ?」 「それが狙いよ。なんか、文句ある?」 形振り構わないと言った様子で香住は晶を睨み付けた。 「えぇ!?まさか、姉ちゃん・・・礼治に気があるのか!?」 あらためて言われると、恥ずかしと思いながらも晶を味方につけておきたい香住は素直に返答する。 「そうよ、前々から礼治君の事が気になってたのよ!晶、協力しなさい!」 「礼治、モテ期かよ?とりあえず、ウチで飲むって話にしとくわ」 二人きりで飲めば、また距離が縮まるハズ・・・そう思っていた香住だったが大切な事を忘れていた。 翌日 「家飲みなのに、服・・・気合い入れすぎかな?」 カーキのリブニットワンピースを着て何度も鏡を見る香住。 そうこうしてるウチに、インターホンが鳴り来客を告げる。 礼治君、来た?約束の時間より早いけど・・・ 玄関に迎えに行くと、そこには両親の姿があった。 「ただいまー香住、なんかお洒落してないか?」 「パパ、自宅なのにチャイム鳴らす癖、直らないわねぇ~」 身長、178cmの細身で白髪オールバック、金属製のスクウェアメガネをかけた高瀬パパと少しぽっちゃりした体型をした、目元が香住と瓜二つの身長、160cmでボブヘアの高瀬ママが仕事から帰ってきたのだ。 高瀬パパは風景写真家、高瀬ママは風景画家で一緒に仕事に出かけ、一緒に帰ってくる。 「パパ、ママ・・・帰ってくるの、今日だったっけ?」 苦笑いの香住に対し、満面の笑みで二人は答えた。 「早めに切り上げて帰ってきたんだ。なんせ、香住が賞をとったんだから御祝いしなくちゃな!」 「色々買って来たから、みんなで食べましょうねぇ~」 二人が居間に入ると、テーブルには様々な食材が並んでいた。 「あら?晶と二人で食べるには多すぎるわねぇ~もしかして、誰か遊びに来るの?」 「ほら、晶の幼なじみ・・・礼治君って覚えてる?私の御祝いしてくれるって言ってくれたから宅飲みする予定だったの」 「覚えてるわよぉ~!今でも三人仲良しなのねぇ~晶はいつ帰るのかしら?」 「なんか、送別会で帰るの遅くなるみたい」 荷物をテキパキ運ぶ高瀬パパは、部屋からアルバムを持ってきて二人の前で開いた。 「ほら、この子だろ?」 写真には、小学生低学年くらいの小さな香住、晶、礼治が三人一緒に写っている。 「そうそう!うわ、懐かしい・・・ふふ、小さい頃から礼治君って目付き悪かったんだなぁ~」 香住が写真を見ていると、ライン通話の着信が鳴った。 「もしもし、礼治君?どうしたの?」 「実は、友人が同席したいと聞かなくて・・・連れて行っても良いですか?」 「良いよ、どうせパパとママもいるし」 香住は色々と予定が狂ったので、少し投げやりに了承した。 数分後・・・礼治と一緒に現れたのは、美亜だった。 「へぇ~まさか、乗り込んでくるとは思わなかったわ」 「先生に変な虫がつかないようにするのも、私の勤めですから」 ニコニコしながら、火花を散らす二人だったが・・・全くソレに気づかない礼治。 高瀬パパとママに招き入れられ、御祝いパーティーが始まった。 少し酔っ払った高瀬パパと高瀬ママが礼治に次々と写真や絵を見せている。 香住はオレンジジュースを片手に美亜の隣に座る。 「見かけによらず、度胸あるお嬢様なんだね?」 「あなたみたいな肉食系美女に余裕見せられるほど、器が大きくないだけです」 「あら、お褒めの言葉と受け取っておくわね?ジュース飲む?」 「頂きます」 香住は梅酒で、美亜はオレンジジュースで乾杯しながら視線は互いの目から離さない。 「金曜日は二人で何をするの?」 「先生のホラー克服の為に、映画等を観るんですよ」 「今日は私のターンに土足で入り込んできたんだから、金曜日は私も映画鑑賞に行くからね」 香住の言葉を聞き、美亜は軽く溜め息をついた。 「こんなホームパーティーだって知ってたら、来なかったのに・・・先生が良いと言ったら、考えても良いですよ」 「先生って、礼治君の事よね?」 「そうですよ。作家先生ですから」 その後、あっさり礼治の了承を得た香住はホラー克服計画に参加する事になった。
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