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明くる日、タイシボン国民がタンパクシッツの港に足をつけました。
「へっへっへ。さあ、タンパクシッツ国民よ、牛乳と大豆をオレらの船に積み込みなあ」
「うわあ、来た! 助けてぇええええ!」
タンパクシッツ国民は、ボウディーヴィルス国民の後ろに隠れました。
「俺らの牛乳と大豆を守って!」
「おうっ、任せろ!」
ボウディーヴィルス国民は手始めに、タイシボン国民に筋肉を見せつけて威嚇しました。
ムキッ、ムキッ!
「わーお、彫刻みたいな体だ!」
「土台が違うよ、土台が!」
「背中に羽が生えてるぅ!」
タンパクシッツ国民の歓声を受けて、ボウディーヴィルス国民の士気が上がります。
ムキムキッ、ムッキー!
「ひえぇええ〜っ、降参! こうさぁん!」
目の前で逸脱極まりない筋肉を見せつけられたタイシボン国民は、戦わずして負けを認め、その場にひれ伏しました。
タイシボン国民は体は大きいのですが……重いだけで力なんてないのです。マッチョなボウディーヴィルス国民に勝てるわけがありません。
「いえーい! 俺らの勝ちだ! ボウディーヴィルス国民、ありがとう!」
「お、おう」
ボウディーヴィルス国民は、あまりの呆気なさに肩透かしを食らいつつ、タイシボン国民に説教をし始めました。
「まったく、なんだってこんな……強奪なんて美しくないぞ」
「くっ……どうせオレらは醜いんだ! うわぁあんっ」
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