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「お館さま──!どこですか、返事をしてください‼」
側仕えの護法達の声が聞こえた。
屋根の上で顔を見合わせる兄弟。
一瞬の間の後、孝之は青褪めた顔で叫んだ。
「やべぇ…こんな所で油を売ってる場合じゃねぇんだよ! 急いで支度しねぇと、法要が!」
「そうだな、お前の所為ですっかり遅くなってしまった。支度部屋に戻ろう。」
「俺の所為かよ⁉︎ なんで⁈」
伸之の弾ける様な笑い声が、春の光に溶けていく。
いつ果てるともなく続く救済の道…。死と隣り合わせの毎日の中、支え合い、助け合って生きてきた兄弟。
其々の立場に別れた今も──
二人を繋ぐ『絆』の深さは、生涯変わる事はなかった。
───第四話 終───
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