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そうやってまた夜まで辺りをぶらつこうと思い、いつもの道を歩いていると段々と人気が無くなってきた。僕の住んでいる場所は割と街に近い。だから人と良く擦れ違うのに、この日は誰とも擦れ違う事は無かった。
それに見た事の無い場所へと景色は変わっていった。日本家屋ばかりの集落では無いはずが、どんどんその景色へと変わり始め僕は思わず立ち止まる。
「道……間違えた?」
そんなはずは無い。いつも登下校で使っている道を通って、ゲームセンターに行こうとしていたのだ。いつも見ている道を間違えるはずが無い。ボーッとしていた訳でもあるまいし。
気の所為だと必死に思い込みながら、また歩みを進めていくと、僕の上の方でパチンパチンっと何かが弾ける音が連続で聞こえ見上げてみた。
「は、はぁ……!?」
今はソーラー式が当たり前になった街灯が、歴史の教科書ぐらいでしか見た事の無いガス灯へと変わっていた。それだけでは無い。コンクリートの道は砂道へと姿を変え、完全に知らない場所へと変わってしまっていた。
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