25人が本棚に入れています
本棚に追加
「にゃー」
そこにいたのは、小さな白い子ねこ。
寒さに震えている子ねこを見て、ミルちゃんとタジーちゃんは顔を見合わせました。
「まあ、大変!」
「何とかしなくっちゃ!」
ミルちゃんは魔法の星のステッキを取り出して、ひと振り。
すると、子ねこの目の前に温かいミルクが現れました。
「にゃー」
子ねこは美味しそうにミルクをペロペロなめはじめます。
それを見たタジーちゃんも魔法の星のステッキを取り出して、ひと振り。
すると、温かいブランケットが現れました。
「にゃー」
子ねこはブランケットにくるまって、幸せそうに笑いました。
ミルちゃんとタジーちゃんもホッと胸を撫で下ろして、その場に座り込みました。
「にゃー、にゃー」
段ボールの中で、子ねこはまだ鳴いています。
「ねこさん、どうしたのかな?」
「まだ、何か欲しいのかな?」
2人は魔法の星の杖をひと振り。
子ねこと同じ大きさになって、段ボールの中に入りました。
すると、子ねこはブランケットを広げて、にゃーにゃーと鳴き続けます。
「わたしたちも、入れてくれるの?」
「そうみたいだね。じゃあ、入れてもらおうか」
ミルちゃんとタジーちゃんは、ブランケットに子ねことともにくるまりました。
子ねこのもふもふな毛なみと、ブランケットの温かさに包まれて、2人はぽかぽかいい気持ち。
「ふあ~あ。なんだか眠くなってきちゃった」
「そうだね、眠くなってきちゃったね……」
子ねこはすでに夢の中なのか、小さな寝息を立ててすやすやと眠っていました。それを見た2人はお互いに目を合わせてほほえみます。
「ねこさん、助けられてよかったね」
「うん、よかった」
安心した2人のまぶたも、どんどん重たくなってきます。
気がつけば、2人も眠ってしまいました。
最初のコメントを投稿しよう!