ながれぼしをふらせて

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「にゃー」 そこにいたのは、小さな白い子ねこ。 寒さに震えている子ねこを見て、ミルちゃんとタジーちゃんは顔を見合わせました。 「まあ、大変!」 「何とかしなくっちゃ!」 ミルちゃんは魔法の星のステッキを取り出して、ひと振り。 すると、子ねこの目の前に温かいミルクが現れました。 「にゃー」 子ねこは美味しそうにミルクをペロペロなめはじめます。 それを見たタジーちゃんも魔法の星のステッキを取り出して、ひと振り。 すると、温かいブランケットが現れました。 「にゃー」 子ねこはブランケットにくるまって、幸せそうに笑いました。 ミルちゃんとタジーちゃんもホッと胸を撫で下ろして、その場に座り込みました。 「にゃー、にゃー」 段ボールの中で、子ねこはまだ鳴いています。 「ねこさん、どうしたのかな?」 「まだ、何か欲しいのかな?」 2人は魔法の星の杖をひと振り。 子ねこと同じ大きさになって、段ボールの中に入りました。 すると、子ねこはブランケットを広げて、にゃーにゃーと鳴き続けます。 「わたしたちも、入れてくれるの?」 「そうみたいだね。じゃあ、入れてもらおうか」 ミルちゃんとタジーちゃんは、ブランケットに子ねことともにくるまりました。 子ねこのもふもふな毛なみと、ブランケットの温かさに包まれて、2人はぽかぽかいい気持ち。 「ふあ~あ。なんだか眠くなってきちゃった」 「そうだね、眠くなってきちゃったね……」 子ねこはすでに夢の中なのか、小さな寝息を立ててすやすやと眠っていました。それを見た2人はお互いに目を合わせてほほえみます。 「ねこさん、助けられてよかったね」 「うん、よかった」 安心した2人のまぶたも、どんどん重たくなってきます。 気がつけば、2人も眠ってしまいました。
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