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星の妖精の世界に戻った二人は、お月さまにこのことの報告をしに行きました。
「お月さま、私たち、女の子とねこさんの願いを叶えたの!」
「家族が欲しかったのは、ふたりだったんですね!」
「ええ、そうです。ふたりとも、よく頑張りましたね」
お月さまは笑って、2人を抱きしめました。
「お仕事がうまくできたから、今夜はしぶんぎ座のみなさんのパーティーに招待します」
お月さまは2人にパーティーの招待状を手渡しました。
「パーティーなんて、初めて」
「なんだか、ワクワクするね」
「そう? 私はドキドキする」
2人はそわそわしながら、天の川を渡り、オオハクチョウに乗って、パーティー会場へと向かいました。
パーティー会場には、しぶんぎ座の星の妖精たちがいて、2人を歓迎してくれました。
「初めてのお仕事、成功おめでとう」
「これが、あなたたち2人の星よ」
ミルちゃんとタジーちゃんは、手渡されたキラキラ光るお星さまを見て、ぱあっと顔を綻ばせました。
「きれい!」
「これが、地上に降るのね!」
「女の子とねこさんにも、見て欲しいね」
「きっと見てくれるよ」
やがてパーティーが始まり、しぶんぎ座の星の妖精たちは、自分の叶えた願い事の数だけ星を夜空に向かって投げ始めました。
ミルちゃんとタジーちゃんも、自分のお星さまを力いっぱい投げます。
「えい!」
「綺麗に輝いて!」
それから、ミルちゃんとタジーちゃんは、まだ投げ続けられている星を見て、微笑み合いました。
「私たちもいつか」
「あんなに多くの願い事を叶えられるといいね」
「なれるよ、きっと、あなたたちなら」
しぶんぎ座の星の妖精が、優しく二人に笑いかけました。
* * *
今夜はしぶんぎ座流星群の日。
先輩の星たちにまざって、ミルちゃんとタジーちゃんの星も流れていきます。
「あ、流れ星!」
「にゃー」
地上では、女の子と子ねこが、夜空に降るたくさんの流れ星を見て、目を輝かせていました。
終わり
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