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遠い遠いお空の上に、星の妖精たちが住んでいました。
彼らのお仕事は、地上の人たちの願いを叶えること。
星の妖精たちは、願いを叶えた数だけ地上に星を降らせて、その願いが叶ったことをお祝いするのです。
大きな星の妖精は、たくさんの願いを叶えることができます。
地上でたくさんの流れ星が見られる日は、星の妖精がたくさんの願いを叶えた証拠でもあるのです。
生まれたばかりの星の妖精、ミルちゃんとタジーちゃんは、お月さまに頼まれて、初めてのお仕事をしようとしていました。
「2人いっしょなんて、なんでだろうね」
「でも2人いっしょなら、さみしくないね」
ミルちゃんとタジーちゃんは、そんな話をしながら、願い事を叶えるために地上へとやってきました。
「願い事がかけられたのは、この辺りだと思うんだけど」
タジーちゃんは辺りを見回しました。けれど、そこには誰もいません。
それもそのはず、そこは真夜中の公園だったのです。
「待っていればいいのかな?」
「でも待っていたら、願い事をした人も、どこか遠くへ行ってしまうかもしれないよ?」
「どうしようか?」
「どうしよう」
2人が困っていると、急に後ろからガサゴソと物音が聞こえました。
2人はふり返りましたが、そこには誰もいません。
「誰もいないね」
「誰もいないよ」
「ちょっと、怖いね」
「ちょっとだけ、怖いね」
2人は肩を寄せ合い、キョロキョロと辺りを見回しました。
すると、またガサゴソと物音が聞こえてきて、ミルちゃんとタジーちゃんはぴくりと肩を震わせました。
「何だろう?」
「何だろうね?」
2人がおそるおそる音のした方へ歩いていくと、そこには小さな段ボールが置いてありました。
「これかな?」
「これだよ」
2人はそうっと中をのぞきました。
すると――
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