Five

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ーー… 竜崎さんとは何となく気まずいまま数日が経ち、今日は土曜日。 午後、俺は久し振りに……実家を訪れた。 「待ってたわよ、啓人!」 インターホンを鳴らすと、母が笑顔で出迎えてくれた。 実家と言っても同じ都内で、俺が一人暮らししているアパートとそこまで離れてはいない。 実家から会社に通うことも可能ではあったが、有也が会社の近くで一人暮らしをしているのを見て、俺も一人暮らしがしてみたいと思ったのだ。 とは言え、休日には実家にもなるべく顔を出すようにしていたけれど、最近はあまり来れていなかったなと密かに反省する。 家に入るとーー。 「お兄ちゃん!」 「お兄ちゃん、お帰りー!」 現在八歳の、歳の離れた双子の妹と弟が駆け寄ってきてくれた。 「ただいま、(りん)(しゅん)!」 俺の家は父と母、妹の凛と凛の弟の隼、そして俺の五人家族だ。 父はベータで、母はオメガ。双子の二次性別はまだ判定前。 父は単身赴任中でなかなか会えないが、母と同じく優しい人だ。 「お兄ちゃん、遊ぼー」 「隼、ずるいー! 凛もお兄ちゃんと遊ぶー!」 「うんうん、三人で遊ぼうな」 そうして夕方まで三人でたっぷりと遊んでから、皆で食卓を囲んだ。 父は不在だが、久し振りに家族でワイワイ食べる食事はとても楽しかった。 それから双子と一緒に風呂に入り、二人が寝静まってから、俺は縁側で夜風に当たりながらボーッとしていた。
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