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まだ二人で
もうすっかり午後になっているジュリアンの自室で、僕は、ぼんやりとジュリアンの腕の中で微睡んでいた。枕元のアイスバケツの氷はすっかり溶けて、ボトルの中も空になっていた。僕は腕の中で姿勢を変えるとジュリアンを見上げた。
長い睫毛の影を痩せた頬に映しているジュリアンは冴え冴えとしたイイ男ぶりで、僕はドキドキしながらジュリアンの分厚い唇をそっと指先でなぞった。僕の悪戯な指先をパクリと加えたジュリアンは、それでも目を開けずにいた。僕はジュリアンが寝ぼけているのかと思った。
「…ジュリアン?起きてるの?」
反応がないジュリアンに、僕は指を引き抜こうとしたけれど、その瞬間僕の指はジュリアンの舌に絡め取られ、いやらしい動きで舐め回された。僕は身体が熱くなるのを感じながら、ジュリアンの顔にもう一つの手を添えて言った。
「ジュリアン!起きて。…僕お腹が空きました…。」
ジュリアンは目をパチッと開けて、緑を感じるはしばみ色の優しい目で僕を見つめた。
「…私もだ。まだ腹が空いてる。さぁ、もっと食べさせてくれ…。」
そう言うと僕にのし掛かって、腰の硬く勃ち上がってきている重量のあるそれを、僕にゆるゆると押し付けた。僕はお腹の奥がズクリと疼いたけれど、それと同時にお腹がグゥっと鳴った。僕たちは顔を見合わせて笑うと、唇に軽いキスをしてから起き上がった。
僕は思ったより腰をやられてなくて、ホッとしながら念の為もう一度清浄の魔法をかけた。ベッドに腰掛けてこちらを見つめるジュリアンに視線を投げると、ジュリアンはニヤっと笑って言った。
「シンのその傷は、まるで美しい薔薇の棘を表してる様で、私をゾクゾクさせる。」
僕は顔が熱くなるのを感じながら、ジュリアンを睨んでせきたてると、いつの間にか応接に用意されていた僕の服を着た。
ジュリアンが僕の名誉の傷をそんな風に言ってくれるのは、本当は嬉しかったんだ。まぁ、でもそこで感謝しちゃうとそのままベッドに引き摺り込まれそうだから、ちょっとツンだったかもしれないけど正解だよね?
僕たちはテラスで執事さんが取り計らってくれた食事を楽しんだ。執事さんと久しぶりに話が出来て嬉しかったし、執事さんは僕が無事に部屋から出られた事に、安堵していた。まぁ、部屋に篭る時のあの不安そうな顔を見ると、随分と心配してくれてたみたいだ。…ていうか、ジュリアンがどんだけって話だよね?
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