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さて。ユリアと同じような、先生からの魔武器についての簡単な説明はあっという間に終わり、今はそれぞれ魔石を貰い、散らばって精製に移っている。
よし!凄いの作るぜ!
先生がさっき用意した魔法陣の上に魔石を置き、そこに魔力を込める。十秒位経つと、ボンッと音が鳴り、煙が出てきた。
煙が晴れると、そこにあったのは…木刀だった。なんの変哲も無い、本当に普通の木刀。
…なんか地味ー。
ちなみに隣を見ると、ユリアは羽根ペンが出来たようだった。なんか、いいな…。絶対強そうな雰囲気を纏っているし。純白の羽根が光を反射して、虹色に輝いているよ。
周りを見てみると、他のクラスメイトも魔武器が出来たようだ。
えーっと、大剣に弓矢、薙刀と槍と…本にマスクにスリッパ!?
ちょい待ち!なんか、クラスの半数以上が武器じゃないんだけど!え、何?このクラス、どうなってんの?武器っぽい武器の人もなんか、神々しく光っている人もいるし。
…泣けてくるよ。
「落胆してないで、さっさと名前をつけなさいな」
ユリアに冷然と言われた。少しは励ましてくれよ…。
「よ、よし、俺のは…〘木蓮〙だ!なんか、格好いいから!」
俺はドヤ顔でユリアに言った。
「あっそ」
そんな俺にユリアは冷ややかな目を向けている。
俺はそれをスルーして、頭に浮かんでいた〘木蓮〙の能力を覚えた。
『魔法付加、破壊不可』
…そこそこ?
ま、まあいいや。でも、ユリアの方が低いよな。ペンだし。うん。見た目が凄いだけだよな。
「私のは〘羽音〙。能力は剣化、魔法付加、破壊不可、魔方陣を無条件で描ける、無限に出るインク…などね。まだあるけど、話すのは面倒だわ」
チ、チートだ…ずるい…。
ちなみに、魔方陣は、描くのに使う道具が物凄く希少で高価らしい。それに大量の魔力も使い、場所も神聖な場所で作らなくてはいけないという。つまり、それを手軽に描けるこの道具はとても凄いってこと。頭もいいユリアなら、魔方陣もたくさん覚え、しっかり使いこなすだろう。
魔武器精製は、こうして幕を閉じた。
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