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「さ、帰りましょ」
俺達は今、寮に向かっている。
この学園は、全寮制のため、その建物はとてつもなく大きい。えーと、確か、50階建てで、全部合わせると1000部屋あるらしい。一人一人個室だ。だが、特待生だからとか、貴族だからとか、人によった部屋の違いはなく、皆、同じような部屋。
部屋には、キッチン、トイレ、バスルームも完備、ベッド、デスクなどの家具も粗方揃っていて、広さも丁度いいな。
そうそう。S組は、光熱費などが無料という特典がある。他に無料なのは、学費、寮費などだな。
「そういえば、今日は晩飯、何作るの?」
「私はコロッケよ。そっちは?」
「俺はシチューだな。この前のカレーの残りの具材で」
どっかの小説みたいに一緒に食事はしないぜ。俺達は。ただの幼なじみだからな。自分の食事は自分で作るさ。
と、ユリアがニヤニヤとしだした。
「ふーん、シチューね。今回は黒くならないようにね」
「なんねーよ。つーか、それ、何年前の話だよ」
「三年前ね。確か、火事になりかけたんだっけ?」
「んなこと、わざわざ掘り起こすなよ」
「ふふっ。それじゃあね」
「…ちっ。じゃあな」
俺は不満を漏らしながらも部屋に入った。ちなみに、俺とユリアの部屋は隣同士だ。地球でもそうだったのにな。
さて。これからはプライベートタイムだ。
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