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あたしは、横にいるおじいちゃんに、震える声で訊いた。
「も、も、もしかして、カイルって、このカイル・シュタイナー?!」
「そうじゃ、彼の祖父は、ワシのスウェーデン人の友人じゃ。昔、お互いに孫が出来たら、結婚させようと誓い合ったんじゃ」
余りに驚き過ぎて、昨日徹夜で覚えたスウェーデン語の挨拶さえ飛んでしまったあたしに、カイルが言った。
「はじめまして。翔子。会えて嬉しいよ」
……流ちょうな日本語だった。
「は、は、はじめまして! 神宮寺翔子ですっ! めっちゃ、ファンです! でも、……日本語、お上手ですね」
あたしは、緊張しながら言った。
「ああ、はい。将来は、日本人と結婚すると聞いていたので、子供の頃から、日本語は、勉強してきました」
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