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「かっこい~!」
「あんた大学三年で内定も無く男目当て長期インターンする愚かさ分かってる?」
「それはほら。美作に就職しちゃうかも? インターン勝ち取ったくらいだし?」
「……あんたまさか自分が認められてインターン合格したとか思って無いでしょうね」
「え? そうでしょ。だって不合格者だっているんだし」
「ば~か。大馬鹿者。勉強不足。アホここに極まれり」
「何で! 試験受けたわよちゃんと!」
「何でアンドロイド史しか取ってないうえ赤点のあんたが合格したのはそれくらい希望者がいないから! 誰でもいいから入社して欲しいだけなの!」
「嘘だよ。花形じゃない、開発なんて」
「無知すぎ。花形はパーソナルとAIでボディはブラック極めて全職業中下位だよ。業務が大変で残業過多。そのくせ成果が出なくて評価されない。そんなとこで働きたいわけないでしょ」
「でも作れるじゃん」
「いやだから、アンドロイド新機種見てみろっての。髪とか目のカスタムにバリエーション増えるだけで新機能なんて無いでしょ? それだけ開発ってのは成果が出ないの」
「まあ、けど嫌なら転職すればいいじゃない。アンドロイド作れるくらいならいくらでもさ」
「あんた本当に何も知らないね。転職で落ちぶれる職業ナンバーワンはボディ開発者だよ。アンドロイド開発の技術は家電とは全然違うんだよ。完全な専門家で、逆にそれしかできないの。エンジニア系他業種に転職なんてできないの」
「え……」
「けどブラックな理由はそんな先の話じゃないんだよ。あれって完全に力作業で辛いんだよ。パーツ運ぶだけで重労働。作業は手を動かして集中するから頭痛に眼精疲労は慢性的。作業時間も長いから副業もできない。なのに転職の道も狭い。だから希望者が少なくて、あんたみたいな素人でも希望者を入れておきたいのよ。育てればどうにかなるかも~っていう淡い期待。いうなれば見込み無し」
「げー! 嘘でしょ! 嫌だよそんなとこで働くの!」
「事前調査が無さすぎる。ま、漆原朔也を近くで見たらインターンは終わりでいいでしょ」
「終わら無いわよ! 始まるの!」
「何が? 恋が?」
「インターンよ! 勉強よ! 就職よ!」
「寝言は寝て言え。つかせっかくなんだし恋人の座狙いなよ。そこそこ可愛い顔してるからあんた」
「え、イケるかな」
「ほらみろ、男目当て」
「ち、違う!」
「精々後悔しないようにやるこたやってこい。就活は別にやっとけ~」
麻衣子の言う事を否定しつつも大体がその通りだ。こんな調子で美咲はインターンを始めることになったが、インターンを始めてすぐに麻衣子の言う通り後悔することとなる。
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